オタクのソニックな日常

趣味でゲーム漫画書いてる人

シクラメン大復活!!!

 数年ほど前から実家ではシクラメンを飼っている

 

 

我が家のシクラメン。当初より大きく育った

 このシクラメンは近所の高校が育てて販売しているものを1000円ほどで購入したものらしい

 

 お値段は安めだがものはよく、とても大きく、そして凛として咲く花の如くという言葉がよく似合う、そんな一株だ

 

 

 しかしこのシクラメン

 ここまで大きくなるまでに、いろんな意味で果てしなく長い道のりを歩んできた

 

 

 

 我が家では当然両親が水をくれているのだが、これがまずトラップであった

 

 

 シクラメンはあまり丈夫な部類の花ではなく、少し気温や育て方を間違えると一瞬で枯れてしまう

 

 だが、不幸にも我が家の両親は真面目であった

 

 

 両親二人とも毎日決まった時間に、お互いに水をくれていた

 

 心を込めて、愛情をもって、毎日丹念に二人同日に水をくれていた

 

 しかも両親はいい意味でも悪い意味でも脳筋なので、お互いに水をくれたかなど確かめもしない

 

 水をあげたかよく分からないので、晩にとどめのもう一回、母親が水をくれる

 

 そしたらどうだろう

 一瞬にして根腐れした

 

 

 私は嘆いていた

 

 実家に帰ってくるたびにシクラメンがこちらを悲しそうに見て、しおれていくのを……

 

 お姉ちゃん、あなたに育ててもらいたかった……

 

 そんな声が聞こえてくるようだった

 

 私はとても悲しい顔をし、帰ってくるたびに眉根を寄せていた

 

 枯れ果てた株を見るというのは、こんなにも切ないものなのだろうか

 

 

 しかし一番悔やんでいたのは買ってきた母親であった

 

 今度こそは生かす、そう息巻いていた

 

 幸い、根っこは生きているらしかった

 

 

 なら、ふたりで確認しながら、何日かおきに水をやるって決めなよと私はアドバイスした

 

 しかし両親はそんな器用ではなかった……

 

 

 次は両方とも水をやらないという強硬手段に出た

 

 シクラメンもえっ?と言う顔をする

 

 

 「私、スルーされてるぅ?」

 

 

 なんかずれている、皆もそう思わないか?

 

 我が家はこういう家庭なのだ

 

 

 そしたらどうだろう、

 

 次はカラカラになって枯れた

 

 幼稚園児でも分かる結末だった

 

 

 だが幸いにもまだ根っこは枯れていない

 

 

 そして三度目の正直、とうとう両親は百均で液肥タイプの栄養剤を買ってきた

 

 

 本来液肥は株の下の土に刺しておくものなのだが、母親は何を血迷ったのか、ままよと液肥を直接絞り出し、根っこにぶちまけた

 

 

 今度こそ根っこが焼けて(肥料焼けのこと)終わるだろうと私は話を聞きながら思った

 

 

 我が家に来たばっかりに、このシクラメンは大した花も咲かせられず枯れていくのだ……

 

 

 しかし奇跡は起きた

 

 

 

 久しぶりに我が家に帰ってきてみると、シクラメンはとても立派な花をたくさん咲かせていた

 

 

 

 人生何が起こるか分からない

 なあ、シクラメン

 

 

これはシクラメン二号。こちらも枯れて復活した